日本の歴史は日本人が創る

ヤマト民族日本人に“我れ蘇り”を希う

☆愚者につける薬無し

 如何に勉強好きで国家思いの政治家達とは謂え、戦後六十六年も経つと、其の殆どは不自由無き平和時に生まれた戦後っ子が過半以上を占め、先の大東亜戦争(太平洋戦争)に纏わる、結果として社会全体で被った悲惨さや貧困、或いは、廃墟等の中から、其々に脱するに至る戦後の、国内政治の推し進めや国際社会との関わり方、就中、戦勝国で在り、且つ、占領国の頭として、現在に至る日本国家社会を未だに指揮差配さえし続けている米国との、所謂、紛う事無き主従的関係に関しては、全くの無知状態に在ると云って過言ではなく、まるで自身には馴染み無き、其れは過ぎ去りし余所事の経過事象として捉えるのが精々と云える拙劣さに在るのは確かで、勿論、何の疑問も抱かずの彼等、若しくは、書物にのみ学ぶ悲惨さは、自国の歴史的事象として無理繰りに理解させられているのかも知れない彼等でも在る、と察して遣るのが精々、其の戦後生まれが多数を占める彼等が、物知り顔で核抑止政策を語り始め、国家社会安全保障の根幹を形成する政策であるとして、国会議事堂に蠢き闊歩し始めている様は実に無残で無念この上ないもの、少なくとも、斯かる現国会議員の大勢を以ってする知能と知識だけでは、極めて危うい状況下に措かれていると云っても過言ではない。

 良質性を常に追い求め続ける歴史学者や諸学者、或いは、道々の民とは、様々な歴史事象や認識の点に於いても明確に一線を画し、斯かる条理そのものに相当の乖離すら晒して平然としている禄盗人の為政者群、特に、民主党菅直人ご一行様の行状は、余りにも無残で酷過ぎるの一言に尽きるもの、不条理の棺に入れられて久しい自民党(員)に負けず劣らずの其れは愚態と云うもので、施す術無し、バカにつける薬無しとするものである。

 来る九月を以って政権奪取満二年目を向かえる民主党と其の政権、鳩山由紀夫から菅直人へと、首班が入れ替わる時間だけは確かに経過したのだが、民主党政権に期待されていた「日本の再生、再興」を目的とし、国家行財政大改革の実践を主眼点とする新たなる国家社会の骨格造りへの取り組みは、其れこそ、菅直人首班指名された其の時点から、改革の電源が抜かれてメルトダウン、十五ヶ月を経過した今日に於いては、まるで自民党麻生政権時代の官僚主導政治に舞い戻ったかの如き体たらくに溶解、民主党政権樹立時には間違いなく在ったであろう政権公約遂行の為の政党条理や政策理念は何処へやら、党旗とともに、跡形もなく打ち棄てて終った感も否めないのである。

 僅か九ヶ月と云う短期間で、党首鳩山由紀夫の手から、其れこそが一気に、五段階も六段階も飛び越え、菅直人の手に党旗と政権旗が渡され、基より、過半を超す民主党員とサポーターが其の後押しはしたのだが、此の菅直人と云う、所謂、民主党員に在りながらアナーキー的政治信条を隠れ十字架とし、拉致被害者の事などは努々気にも留めず、其れどころか、黒い族と手を握る芝居上手な食わせモノ、基より、質素と清貧さ等は表向きに与えられた宣伝用のもので、実態は疫病神を背負い込む、元は一小市民の事大主義為政者、其の菅直人を党首として擁立したのが民主党のケチの付き始め、いやっ、日本列島須らくに住まう道々の民に覆い被さる、其れは暗雲の垂れ込めと災禍受難劇の始まりともなるのである。

 総離職を辞さずとも済んだ鳩山由紀夫の総辞職の決断、政権奪取が初めて成った民主党にとっては、あの日本を駄目にした藤原一族末裔の描いた、瓦解に至る一つのシナリオに嵌まる事なのだが、総理職を辞するに至ったのは已む無き事として諒解はしても、途中降板にあった以上、閣内に居なかった、実質NO.1の小澤一郎氏までをも道連れにした退陣劇だけは避けるべきが賢明なる者の為すべき判断と云うもの、小澤一郎氏に対する禅譲を基点に、党首選を執り行うべきとの指針を示すべきが、総理の椅子を去る鳩山由紀夫氏にとって最善で唯一の選択肢ではあった筈である。当該条理を選択し得なかったが故に、疫病神を民主党に、即ち、菅直人に憑いて、国家行政府に招き入れる結果となって終ったのである。

 今、疫病神菅直人の退陣表明を受けて、”若手”を自負する数名と”年寄”の民主党員が党首の座、即ち、内閣総理大臣の椅子目掛けての鍔迫り合いに参加する事を表明、若しくは、示唆し始めたが、其の何れもが、箍の外れた民主党、或いは、基盤崩れし侭の民主党と云う、言うならば、挙手起立要員のみで党首選、乃至、総理の椅子に臨む様なものでしか無く、既に名前の挙がっている前評判の高い野田佳彦何ぞが党首に推され、首班指名で総理の座にでも就けば、国家社会崩落は尚一層加速化し、再生への道程は全く断たれて終うのであろう。

 一つの良策すら見い出せず、更に、政権基盤ともなるべき、多くの道々の民が認めて委ねた「マニフェスト」すら放棄した菅直人と其の閣僚陣、左すれば、菅直人の退陣に伴う衆院解散に因る総選挙の選択か、若しくは、源流民主党に最期を託す、即ち、小澤一郎氏を党首に擁して、再度、執政を頼むしか生き残る術も無い民主党と日本国家社会、此の基本原理原則すら理解出来ない若手と呼ばれる野田佳彦を一とする愚かなる民主党員、彼等の誰が党首へ上り詰めても、壊れた政党骨格を組み直し、不条理に率いられた国民を条理に覚醒させるのは無理なる相談、国民には更なるフラストレーションを与えて秩序崩壊へと動かし、国家をして破綻、戦争への手先へと駆り立てるだけでしかない。

 野田佳彦は早速に、自民党を束ねる藤原一族末裔にシグナルを送り、足許に跪く旨を明言したのである。即ち、先の大戦に拘わる、藤原一族にとっての”踏み絵”とでも言うべき戦犯理解に関する認識の件、其の通り、国際法廷で下された戦犯者等の取り扱いと認定は、戦争犯罪者ではないとの認識表明が野田佳彦の口から、初めて出たのである。

 よしんば、其れを是としたにせよ、野田佳彦が骨無き為政者である事が、唯々明確になっただけでしかない。