日本の歴史は日本人が創る

ヤマト民族日本人に“我れ蘇り”を希う

☆賢人政治家ウラジミール プーチン (13)

 スラヴ民族、ゲルマン民族、ノルマン民族、ハザール民族、フィン系民族、テュルク系民族、その他多くの民族の血が、戦争と抗争の繰り返しの時代を経て混じり合い、且つ、犇めき合うのが、一億四千万人を擁する現下のロシア国、広大なる領土を有するロシアに於いて犇めき合うとの言葉の用い方は適切ではないのかも知れないが、モスクワとサンクトペテルブルクの両都市に於いては正しく、都市と云うよりは国家そのもの、その意味で使用したもので他意は無い。

 其の中に在って、ボリス イェリツインを継いだウラジミール プーチンは、自らの体内に流れる血をどの民族の出自に求めていたのであろうか。基より、彼にしか分からない事ではあるが、明確に言える事は、其の容貌からすれば、ノルマン民族の血が濃く流れているのではないかとも見て取れ、基より、父方の容貌からはゲルマン民族、またはノルマン民族の血が濃く窺い知れ、母方の容貌からも同様に、ゲルマン、乃至、ノルマン民族の血が、色濃く出ている事を窺わせるもの、但し、両親が、或いは、本人であるウラジミール プーチンもだが、其の容貌や、立ち居振る舞いから推して、その様に非スラヴ民族に見えるからと云って、果たして、スラヴ民族の血が混じっていないとは言い切れぬのも事実、左すれば、抗争と戦争の延々とした繰り返し毎に民族名を冠された古の形跡のこと、即ち、血の重なり合いは、民族史を含む学術研究のみに於いて其の価値を留め措くと云う事でしかないのかも知れない。

 権力者の多くは、自らの血の出自に思いを馳せ、或る者は胸に留め措きもするが、自慢気に誇りもするであろうし、若しくは、血の出自をして重荷と感じる者も少なくはない人々も居ようが、其の多くは自らの出自に誇りを持つのが常態、人種の坩堝と称される米国に於いてさえ其れは変わる事もあるまい。余談を記せばあの英国に於いてすら、現エリザベス女王(二世)はゲルマン民族系であり、夫のエディンバラ侯爵フィリップはギリシャ系ラテン民族、基より、英国人をして覆いたくもなる(実際は異なるが)アングロサクソン民族のアングロ族もサクソン族もともに、ゲルマン民族の出自であるとの所以を知れば、国家概念無しに抗争や戦争を繰り返した、王国、皇国等々を以って集団とした古の大陸、EUを以って手を結んだとしても何等不思議な事ではない。

 はてさて、プーチン自身が、ノルマン系かゲルマン系かの血を少なくは無く留め措く、所謂、スラヴ系ロシア民族である事を強く意識し始めたのは何時頃の事なのであろうか。恐らくそれは、彼が念願のKGBに推挙されて採用となり、三十代前半に東ドイツ赴任となって以降のことではあったろう。即ち、ナチスドイツ時代に於けるユダヤ系民族に対する迫害の事実と被迫害要因を、当時の東ドイツに遺された膨大な資料の中から目にし得ていたからではあろうし、更に、ドイツ帝国第二次世界大戦時に軍事支配した、ポーランドルーマニア、或いは、チェコスロバキア等々の領土に於ける同ユダヤ民族の迫害に対しても、相当数の情報を得ていたからでもあろう。また、二十世紀初頭のドイツ帝国時代の資料解読にまで遡れば、「黄禍論」を撒き散らして日本民族を揶揄した、所謂、ドイツ皇帝のヴィルヘルム二世の言辞に幻惑され、遂には、日露戦争へと後押しされては導かれ、結局は敗戦に帰した帝政ロシアの愚昧さも学び、並びに、斯かる愚昧なる戦争行為に突き進んだ帝政ロシアを、対日賠償問題から救った一群が誰であったかをも、東ドイツに於ける赴任中に、斯かる資料等々の中から、ウラジミール プーチンは明確に理解し認識していたものと推測されるのである。

 当然の事として、ドイツ民族、即ち、ゲルマン民族は、英国のアングロサクソン民族と同様に、帝政ロシア時代に於ける<皇妃>の主たる供給源としていた事も、ウラジミール プーチンは深く認識していた中で、他の欧州諸国と比較して何故にロシア国のみが下位に見られ、また、永い間変わる事なく蔑まれ、とり扱われていたのかも、東ドイツ赴任時には既に知悉していたものと推測されるのである。更に言えば、東西に分かれていた赴任当時のドイツに在って、基より、ウラジミール プーチン東ドイツに詰めていたのだが、西ドイツに於ける経済の目覚ましい発展を目にしていく中で、金融、化学、工業等々の主要産業に、ユダヤ系ドイツ人が少なくは無く返り咲いている事をも諜報活動を通じて情報入手、自国ロシアの官僚や政権閣僚等々との間に頻繁なる交流の在った事もまた、情報として明確に入手し得ていたのである。

 ロシア国民には決して流れる事のない歴史裏面の隠れた真相を知り得たウラジミール プーチン東ドイツに詰めて居たればこそ知り得た情報も数多く、国際条約違反となる、所謂、日ソ中立条約の一方的破棄に因る無効の宣戦布告と日本領土の侵略に関しても、確かに国際法で禁ずる、其れはスターリン率いるソ連に因る「侵略」の事実である事すら確認していた彼、同時に、それは米英両国に因って強力に後押しされ、且つ、容認された不法行為であった事さえ認識していたのである。