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☆豊洲市場、環境調査の手抜きと土木工法を変えた犯人捜し

 メディア業界に因るどうにも止まらず相も変わらずの、<犯人捜し>始めに有りきの報道姿勢の薄気味悪さは如何ともし難きもの、数多に発生したメディア界に因る犯人捜しの中で、今般の事例に見られるものは、NHKをも主体的に巻き込んで為す酷いもので、即ち、築地市場から豊洲市場へと移す鮮魚市場乃至青果市場等の、東京都に拠る、何時の間にかの建設完了と其れに伴う移設日程の迫りに関して、小池新都知事の誕生で俄かに暗雲がたちこめ、即ち、新知事に拠る急遽に発せられし、建設工程上に関わる疑問の呈しで、上記移設計画が一旦白紙に戻され、本来からすれば、未完の侭に在るとでも言うのだろう、最終的環境調査(諸検査)の早期履行命令で、竣工相成った新市場や店舗への総移転の日程にストップが掛けられて終い、最終に残す当該環境調査の結果次第に因っては、大幅な移動遅延が生じる事、また、最悪なる結果如何の現出に因っては、移設日程の遅延どころか、開業そのものに支障を来たすと云う場面すら否定し得ない状況下に陥る事すら、示唆してもいるのである。

 其の何処が、マスメディアに因る犯人捜しに見えておかしいかと言えば、先ず以って言える事は、新知事に拠る、築地市場に代わる豊洲市場への移転問題に関し、一旦はストップを掛けた小池知事、其の言い分ともなる、所謂、残された侭に在る環境調査(水質検査等)を完全に実施し、結果、<無害>との検査証明が出てから、建設は先延ばしするのが当然で在ろうとの言い分に間違いは無きもの、此処に、小池知事に因る、前知事或いは元知事が執政せし時代に遡る、不法行政の可能性を含む一つの実態が暴き出される結果とはなるのである。即ち、築地市場豊洲移転に関わる問題(土壌汚染)のクリアーに関して、移転条件として敷設提示されていた項目の中で、環境条件の基礎的満足、即ち、人体等に有害とされる化学物質等を含む汚染物質の除去、乃至、恒久的押さえ込みが、移転を予定されている当該豊洲市場に於いて、物理的に成し得ているかの最終調査が既に在って然るべき筈のものが、小池知事誕生時に於いても、実施されては居らずの侭に措かれて無く、と云う事は、環境調査に関わる最終結果報告と、責任者(都知事若しくは職務権限保持者)のゴーサインの指示を貰う事なく、JVを組んで落札したゼネコンが(勝手に)動き、各市場等の建設工事がゼネコンの判断で(勝手に)押し進められたと云う、何とも奇怪なる、基より、有り得ぬ、豊洲新市場の竣工を見る事と相成るのである。

 何とも不可思議なる此の段階では、都の豊洲市場建設担当責任者が、良かれとして押し進めて終った工事では在ったろうとの俄か理解にはあったが、メディアが調査を進めていく内に判明した事は、上気に繋がる、奇々怪々なる建設に迄至る決定の工程と、工程には取り上げられていなかった建設仕様の新たな採用(豊洲市場全体の新たにする土盛り工法)が、どの時点でかは未だ不明なるも、青果棟や鮮魚棟の、所謂、主たる建屋部分では盛り土工法を採用せず、型枠コンクリート工法に拠る、其れも、20㎡程度の一部砕石のみの地下水受け入れ工法を以って為す、地下空間を有する工法へと取って変わられた事が判明したのである。勿論、一部砕石のみの水浸しの地下に在っては、共産党都議を一とする都議会議員集団は足元に溜まる水を汲み上げ、小池都知事の調査指示とはまた別に、民間機関に依頼、水質調査と分析を試みたが、幸いにも、有害化学物質は検出されず、また、一部シアン化合物等は検出されても、人体等に影響を与える様な規定値を超える数値は示されず、絶対とは言い切れないが安心なる地下空間では在るとの、都議会議員に拠る検査結果は示してもいるのである。

 勿論、此れで、小池知事の指示を受けた都の行政部門に、安堵に拠る尚一層の弾みが付き、検査結果が早まるかどうか迄は分からぬが、年明けの一月とは言わず、年内に於ける、豊洲新市場の土壌に関した、最終的な各種調査結果報告が小池知事の許へ上げられて来るのではないかと、勝手に想像するのである。

 尻切れトンボ状態の侭におかれ、全体解明こそ聞かされてはいない都民や国民だが、此の一連の動きの中で最も不可解なる点が何かと言えば、暗黙裡の侭に措かれ続ける、都の行政に携わる指揮命令系統の非公開に措く権力構図が其れ、基より、公明正大にこそ開示せずとも良いが、問題が発生せし時に、当時の担当責任者が即答を以って答えず、また、責任不在を暗示して当然とする様なノラリクラリの行政答弁姿勢は、現行社会には馴染まずのもの、喩えて言えば、安倍政権が勝手にして再開を決め、或いは、憲法に齟齬を来しては織り成す、原子力行政や安保行政等にもよく見られる、不法や無責任の追及に対する、回答無き、恰も唱道者(責任者)不在を知らしめる、核心の的を射させぬ空振り回答の如きもので、焦点定まらずの時間経過のみに押し止まれば為す術無しとする所、民間組織に於いては有り得ぬ決断図式というもので、国家行政、地方行政のみが排他的に赦される責任所在を明かさぬ権力図式で在って良かろう筈は無いのである。

 そうで在るが故に、再びにして都知事が指図する、未遂行の環境調査に関わる、2017年1月予定と相成った、所謂、最終検査結果発表まで待てないとするマスメディアが独自に動き出し、何故に豊洲移転に関わる環境調査の最終検査を都行政は割愛したのか、若しくは、不法行為とでも言うべき、建屋(青果市場や鮮魚市場等)の建設を急ぎ優先させては竣工を見、環境調査の最終検査実施は、結果的に棚上げとして終っているのか等々の疑問の質しは、それこそ棚上げにした侭に措いたマスメディア、彼等の向かった矛先が何かと言えば、上記疑問の解明では無く、建屋等の地下部分を、当初決められた通りの「盛り土工法」を全ての領域で採らず、「地下空間構築工法」を建屋部分に採用、あまつさえ、無断立ち入り禁止とした当該地下空間には、各棟20㎡等のコンクリート無き、砕石敷き詰めの侭の床が、何故に、敢えて設えられているのか等も質さずに終焉させ、やおら踵を返し、水溜りの出来る地下空間構築工法に切り替えた人物を犯人として推定、嗅覚を動かし始めたメディアでも在ったのである。

 最終環境調査無き侭に強行された建築日程から見て、豊洲新市場建設を推奨し遂行したと思われる石原慎太郎元知事に駆け寄ったマスメディア群、現役当時の元知事の発言と現状の元知事発言が食い違いを見せているとして、俄かに手厳しい質問へと変わった記者団に対し、元知事の最終的発言として、”都は伏魔殿だよ!”の言葉の捨てゼリフに、尚更に記者団は「犯人たる石原慎太郎」の確信を強めたので在ろう、その後の数日間をしてNHKを含めたメディア群は、血祭の準備に明け暮れたのである。

 時間を経過した今日に於いて、元都職員幹部たる比留間市場長(建設責任者)に対する何回目かの記者質問が在った中で、石原元都知事の推奨せし<工法/非公式>は採用されずに終わった事が指摘されもしたのである。即ち、映像記録としても残る石原氏が推奨せし、青果棟や鮮魚棟の建屋部分の下は須らく、コンクリート枠組み工法を用いる手法も在る(と、市場長から聞いた、、、)との伝聞自体の間違いも去る事ながら、当該発言の数か月後に於ける「専門委員会会議」での決断の下しは、「豊洲市場は、全棟、全領域を通して盛り土工法にて推し進める」との推奨に達したもので、結局、コンクリート枠組み工法は不採用となったのであるとの説明まで逐次為されたのである。基より、コンクリート枠組み工法も在るとの提案は、元知事が言う様に、元市場長であった私から聞いた工法の話し等ではなく、そもそもは、石原元知事から出て来た(土木工法上の)話しなのであるとも。

 二転三転にもなる話しの展開に奇々怪々さを感じるのは、何も記者団だけでは無く、こちらもまた同じと云う事にもなるのだが、即ち、それでは何故に「盛り土工法」をして建屋部分には採用せず、コンクリート工法に因る地下空間方式を採用して終ったのか、其の採用と不採用の決断に至る判断経過が全く見えていないのである。況してや、環境調査に関わる最終調査を割愛した侭、其れこそ済し崩し的に建屋建設に着手し竣工させて終った都、何も手を加えられずに建設に着手する等考えられる事でも無ければ、責任者の須らくは現状に至る土木工法の決断と流れを熟知していた、と云う事にはなるもの、即ち、石原慎太郎元知事一人に絞るマスメディア群の「犯人捜し」は賢明なる判断とも遣り方とも言えないのである。

 基より、最終ともなる環境調査の結果報告が俟たれる所ではある。