日本の歴史は日本人が創る

ヤマト民族日本人に“我れ蘇り”を希う

☆器ではなかった長州賛美の菅直人

 民主党参院選惨敗の功労者はと云えば、他でもないマスメディア群ではあるのだろう。と云う事は即ち、NHK、産経、読売、毎日、朝日、日経等々に其の勝利の冠は被せられるのであろうが、鵜匠の如く、未だに背後から彼等に強い影響力を行使する、あの日本を駄目にした藤原一族の末裔達が本来の勝利者ではあるのだろう。恐ろしい国家形態への逆流は、再び開始される事をも意味する可能性は残している。但し、今次の改選議席数では自民党51議席に対する惨敗した形となった民主党44議席だが、比例区で得た民主党の得票数の18,450千票、更に、選挙区で得た22,756千票を、自民党の獲得投票数と比較すれば、其々、4,300千票、3,300千票と、民主党の方が上回っており、議席数こそ減らしたものの此れは選挙形態の綾、日本国民全体で見れば、未だ健全な思考力は、我ら道々の民に毀損されてはいないと云う事をも意味するのである。

 だが、議席数を減らしたと云う事実は否定し得ぬもの、何れ、条理に覚醒せぬ(自民党支持に戻した)我ら道々の民にも、最終的な責めもまた帰せられるのであろうが、基より、僅かではあるが良質性を追い求め続ける道々の民をして、斯かる清き一票から遠避けた、云うならば、選良民としての菅直人菅直人支持派の不条理行動と戦術の拙速性にも其の落ち度は認められるもの、即ち、藤原一族司法宮との間に惹起させた民族初と言っても過言ではない政治権力闘争を、其の最前線で陣頭指揮を執り、果敢に采配を執っては敵陣の撃破を目論んでいた鳩山由紀夫小沢一郎を、在ろう事か、味方の後方陣地から弾を撃っては陣頭指揮者を後退させ、政権政党の権力中枢から引き摺り下ろしては党司令部そのものをも乗っ取ると云う、云うならば、「明智光秀」型反乱を、白昼堂々と遣って退けた菅直人と其の一派の不条理性が、良質を追い求める道々の民にとってはおぞましさとして映り、且つ、瞬時に、権力に対する強欲性として見透かされて終った事と、首相に成ればなったで、民主党自体にも降り懸かる不条理の火の粉を一掃するどころか、藤原一族司法宮の前に進み出ては和平協定の締結を乞い求め、内部抗争で奪った権力温存の為に、彼等藤原一族の愚策をも呑んでは掲げ、行財政大改革の執刀を以って国家に積み増しされた不条理の堆積物を一掃し壊滅させるとの党是をも破り、軍門に下る事すら厭わなくなった菅直人と其の一派の日和見性、即ち、現実主義に舵を切り替えた其のおぞましき拙速性が、支持者の一部に見透かされた事が、今次に於ける参院選での惨敗(特に一人区)へと繋がったのでは在るのだろう。

 要するに、得票数こそ自民党を上回ったものの、昨夏の衆院選で付けた票差、即ち、自民党を遥か後方に引き離した比例区に於ける、所謂、10,000千票の差は、衆院選に比較すれば確かに投票率が落ちる参院選とは言え、4,300千票差と云う半減以下は落ち過ぎであり、頂けない事実、或る人曰く、「日本人はまだまだ民主主義政治に未成熟で幼く、あっちへフラフラこっちへフラフラで芯が無くクラゲの様なもの、責任感が実に乏しい性格をしている民族でもある」とこっぴどく腐し、更に、流暢な日本語で、件の米国人が付言して曰く、「日本人に、社会作りに対する責任感と自覚が在れば、また、余程の不祥事が政党に無ければ、選挙のたび毎に支持政党を変えたり、或いは、支持する候補者を変えたりはせず、応援し続けるのが常で、特に、アメリカではそうである」とも腐したのである。耳の痛い指摘ではあるが、簡単に、且つ、一刀両断に、成し得る様な指弾ではない。

 選挙投票から判断し得る、所謂、あっちへフラフラ、こっちへフラフラの支持政党変えの選挙事象は事実だが、斯かる事象をして、民主主義為政の未成熟との批判は的を射た指摘とは言えずのもの、即ち、マニフェストでも断言している政党政策で、遣るべき事をもやらず、国民に痛みを強いる次なる政策課題に取り組む事を宣言する何ぞの党首姿勢を以って、前回の支持者が今回も同じ様に支持するとすれば、此の方がよっぽどノーテンキには在ると批判されても返す言葉すら見失うもの、事実として民主党は支持票を落としたものの、自民党との間に已然として開いた差の有しは、民主党を選択した有権者の苦悩もまた反映していると云って過言ではないもの、其の様に解するのが正しい判断と云うもので、此れを以って民主主義の未成熟と断定される謂われは全くないのである。換言すれば、4,300千票もの差を自民党に付けてトップを死守出来た民主党、斯かる党内での選挙分析に因る総括の下しと迅速な対応こそが肝要なのである。基より、開かれた政党である筈の民主党、内部事情を隠し立てする等論外ではある。

 菅直人/仙石由人/枝野幸男の、所謂、反小沢の、トリオロスゲンジツで始めた選挙の敗退要因を挙げれば次の様にはなるのだろう。
① 司法権の権威に屈し、正論を封じ続けた事
 鳩山首相小沢幹事長両氏に作為された貶め工作に対し、間接的作為者である検察庁自身に因って、両氏には無実の白との判定が下されたにも拘わらず、況してや、小沢一郎幹事長に対する二度にも亘る「無実の白」が、検察庁から裁定されたにも拘わらず、菅直人をリーダーとするトリオロスゲンジツは、両名に対する原状回復並びに名誉回復を道々の民に求めて動かぬどころか、在ろう事か、後方陣地から、最前線で指揮を執る両氏に対して、実弾を浴びせては足を引っ張り、両氏を退陣に追い遣った事。あまつさえ菅直人は、道々の民の政権奪取を実現させた最大の功労者であり実力者でもある当該両氏に対して、不名誉の一掃に尽力せぬ侭、黙って蟄居していて呉れとの、極めて高飛車な姿勢で政権運営に臨んだ事。
② マスメディアを権威在る上質の存在として看做し続ける危うさが強く認められる事
 菅直人は、鳩山/小沢両氏を、国家と党の権力の座から降ろし、自らが就いた事によるマスメディアの提灯記事にいたく感激、即ち、世論調査を以ってする作為的数字ともなる、菅直人政権誕生に拠る支持率V字回復の記事を其のまま鵜呑みにし、一、二週間程度国会を延長すれば成案となった筈の法案を、廃案として迄参院選を急いだのだが、罠に嵌った事すら認識し得ぬ菅直人は、消費税増税の検討開始を国民に提案、本格派政権の我こそが権力者で在ると勘違いしてぶち上げ、参院選に突入、V字回復を提灯記事として提供した其のマスメディアに因って、投票日間際に、支持率急落として喧伝される破目に陥ったのである。
③ 歴史から何も学ばず、歴史を過去のものと軽視した事
 菅直人は、あの日本を駄目にした藤原一族の末裔が、大東亜戦争敗戦直後に自己保身の為に受け容れた、所謂、日米密約の締結に因る「沖縄県放棄」等を現実のものとして認め、また、沖縄県民が望めば、国家としての独立にも反対しないとの、民族分断政策容認へと政治的不条理の舵を、大きく切ろうとしている点が認められる事。
④ 高級官僚の催眠術にまんまと掛かって終った事
 鳩山政権で明言した、所謂、在任期間に在る四年間は消費税を上げずとした政権公約を、菅直人は敢えて取り下げ、現下のギリシャ経済破綻問題を採り上げて、消費税率の改定は喫緊の国家財政上の課題であるとし、選挙後直ちに税率改定に向けた与野党合同調査会を開きたい、改定税率に付いては自民党マニフェスト上で公約とした”10%”程度を参考にさせて貰い、此れを民主党の公約と看做しても良いとしながら、終盤に差し掛かった選挙趨勢に旗色の悪さを感じ取ると、党員に異論を差し挟まれたのかどうかは定かではないが、菅直人は早速に於いて修正発言をし、2年は、或いは、3年間は実施しないとの言い回しに改め、所得制限を持ち出すなど弁明に走る始末の悪さ、よしんば、旗色良しと見れば、あの日本を駄目にした藤原一族末裔が差配する第三帝国官僚政府と手を組み、即ち、自民党と手を組み、早ければ2013年度にも実施するとの意向が紛うことなく在ったと見れば、気長に公約の実現を待ち、且つ、努め続けた道々の民としても不信感の台頭は必然ではあったろう。
⑤ 行財政大改革の実行と成果が殆ど見え難くなっている事
 崖っ淵に追い遣られた国家財政を立て直し、その一要因でもある肥大化した特別会計予算等にも手を突っ込み、果敢な執刀を以って臨むとしながら、また、当該執刀行為は国民の前に開示しともに検証していくとしながら、事業仕分け、或いは、外交分野に於ける部分情報開示と云う作業工程と成果だけは披瀝したものの、其の後は尻すぼみ、況してや、我ら道々の民とともにする検証作業等何処へやらの風情は、立て直しの執刀を今や遅しと準備万端に待ち構える道々の民にとって、反故にされたとの思いは拭えずのもの、特別会計へ踏み込む執刀計画こそ此の秋末には為すとしたが、他の、立て直しや改善に向けた執刀策は示したのかどうかすら解からずの、行政全体に跨る作業工程の不開示は、道々の民をして、菅直人政権の疑念へと押し遣ったのである。

 三分の二に満たない僅か四百数十名の、其れも、行政に知悉した専門家集団を少数にしか抱えていない民主党が、三十万人以上、ややもすれば五十万人以上にも及ぶ、第三帝国官僚政府の実体を解明把握し、国家を崖っ淵に追い遣った当該司令塔(寄生虫)を摘み出すのは容易で在ろう由もないが、民主党を執刀医として選択した我ら道々の民は国民の六割以上を超えるもの、左すれば、斯かる支持力をバックにして匍匐でも前進し、戦闘状況をこそ明らかに情報開示して提供すべきが筋、また、突破策の浮かばぬ障害にぶち当たれば、道々の民の知恵をも借りて障害破砕に臨むべきが政治的執刀医の選択すべき道筋なのである。例えて言えば、医療費等を含む社会保障に費やされる額が年々にして膨らみ、消費税率の改定を以ってしか対処不能と結論付ける前に、遣るべき事が在るだろうは、民主党を支持した道々の民の偽り無しの感情、「みんなの党」を選択した道々の民の清き一票、或いは、自民党支持へと舞い戻った清き一票は、初心を忘れたと思しき菅直人を一とする指導者群、行財政改革の大胆なる執刀を躊躇し始めた菅直人と其の一派、医療費等を含む社会保障費の逆側にも未だメスを入れていない民主党、それらの多くを情報開示していない民主党に対する不信が、参院選での結果敗退へと繋がったのである。

 厚労相を所管する長妻大臣が、よしんば、もっと深く年金問題に踏み入り、ああしたいこうしたい、出来ればこうしたいのだと党内で論議、合意を経た後にメディアを活用して言い続けていれば、上記不信も堆積しなかったろうし、最高裁にまで持ち込まれたにせよ、年金受領の一人当たりの上限は、何時いつから幾らいくらにし、其処に向かって法整備を進めたいとの提案でも為していれば、少なくとも、斃れし自民党へ清き一票が流れる事も、少数では何も成し得ない「みんなの党」へと流れる事もまたなかったろう。

 政治理念を棚上げにして、現実主義に急遽政策の舵を切り替えた、トリオロスゲンジツの歌の拙さに起因した今次の敗戦ではある。政治的混乱は避けられず、基より、我ら道々の民を直撃するが已む無きもの、同じ不遇を託つのであれば、鳩山由紀夫小沢一郎率いる民主党体制の下で、参院選を遣らせたかった事は云う迄もない。